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 戸田の話し  駿河湾
伊豆半島の西海岸にある戸田港は、西は海の駿河湾、東は修善寺・天城湯ヶ島、南は土肥、北は沼津に囲まれた場所にあります。
そして、戸田港を守るように突き出しているのが、御浜岬です。

長い間、駿河湾の波によって運ばれた砂礫で出来た御浜岬には、イヌマキの緑豊かな群生が広がり、戸田の花でもある“ハマユウ”スカシユリイソブキなどが群生し四季を通じて多彩な花が咲き誇ります。
御浜の美しい海岸は波が穏やかで夏の海水浴シーズンには多くの人が訪れます。
【ハマユウ】
見頃は7月〜8月頃
【スカシユリ】
6月中旬頃。



日本初の西洋型帆船

ところで、幕末の歴史のなかの1ページに「戸田」が登場するのはご存知でしょうか?
今から、約150年前の幕末、当時のロシア使節プチャーチンらを乗せたロシア軍艦「ディアナ号」が下田港で安政の大地震の影響で大破したことから、幕府の許可を得て代船の建造を戸田村で行なうことになりました。
戸田村の牛ヶ洞で船大工や伊豆近在の多くの大工の協力を得て、出来上がったのが一雙の西洋帆船「ヘダ号」でした。日本で最初の西洋型帆船の誕生です。
それは、長い鎖国の夢から日本がさめようとしている時代、造船国日本へのさきがけとなる歴史の第一歩でした。

(詳しいことは、御浜岬にある造船郷土資料博物館でわかります。)
戸田はたんなる小さな漁港ではなく、昔からこの地域の漁業の中心地として栄えてきたまちであったのが歴史のなかでも窺い知れます。

     




駿河湾は奥行き65km、湾口65km、最も深い所で水深2,500mにも達する内湾としては世界一の深さをもっており、太平洋の黒潮が直接流れ込んでいます。

そのため、駿河湾に住む魚類はざっと1,000種類、カニ・エビやタコ・イカなどの仲間は1,2000種類以上とされ、この湾から発表された新種の生物も250種以上といわれています。
駿河湾が宝の海と言われる理由もここにあるのです。

戸田港には、アジ・タイ・イナダ・メジナなどが1年中水揚げされていますが、特に、9月から翌年の5月までは、底引き網漁(駿河湾の水深150mから500mの海底に網を降ろし、一定の区域を囲み、網を絞ってから引き上げる)の漁期となり、戸田の旬である深海魚介(貝)類が水揚げされます。戸田のまちの美味しい季節の始まりとなります。

深海魚介類は漁獲量が少ないため大量に魚市場に出回ることはありませんが、地元では色々工夫しながら戸田でしか味わえない旬を提供しています。

世界最大のカニとして有名な
タカアシガニボタンエビ赤エビほんえびクロムツメギス、目が光って見えることからメヒカリなど名前を聞いたことがないかも知れませんが、戸田の旬を是非味わって下さい。